ブログ閲覧について

こんにちは。良い週末を過ごされてますか?一部のメディアコムの学生は合宿に行っているのでしょうか?


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さて、ライブドア問題で感じたことです。ジャーナリストとして私が一番判断に苦しんだのは、




買収をかけられている自分の会社の情報をどこまで記事にすべきか、という問題でした。フジテレビがTOBを進めている最中に、ライブドアニッポン放送の株を大量取得しさらに買い進めている時は、まだ、記事の主語はニッポン放送でしたが、ライブドアニッポン放送の株の過半数を抑えた後、フジテレビに対してTOBをかけるかもしれない、との情報が流れてからは、フジテレビが当事者そのものになったわけです。買収をかけられるかもしれない会社が報道機関を抱えている、という状況に少なからず戸惑ったのは事実です。


当事者ゆえに、ライブドアに取材をかけにくい。そういった状況で、我々フジテレビの記者は、他のテレビ局、新聞社、通信社の記者と全く同じ土俵で取材出来ない「やりにくさ」みたいなものを常に感じていました。


社内には、経営と報道の間にファイアウォール*1があるべきだ、との意見もありました。つまり、交渉の最中なのだから、報道局には情報を流すべきではない、という意見です。対する報道局内部では、確かにフジテレビは交渉の当事者であるが、自社のこととはいえ全く取材しないということは報道機関として死を意味する。社内でも取材をすべきだ、との意見も出されました。


では、仮に社内の情報、すなわち、経営上の重要なインサイダー情報*2を入手したとして、それをどう報道するのか、というジレンマも当然出てきます。他社ならもちろんスクープとして大々的に報道するでしょう。しかし、我々は当事者なのですから、フジテレビが一旦報道すれば、それは「公式発表」と取られても仕方がありません。


交渉が続いており、合意するのか、決裂するのかわからない段階で、他社なら大体の方向性だけでも記事を書くでしょうが(いわゆる、憶測記事、飛ばし気味の記事*3ですね)、当事者の私達は、インサイダー情報を少しでも持っていると記事化出来ない、というもどかしさがあったのも事実です。


この顛末は講義でまた改めて皆さんにお話します。


私は1979年卒ですが、国際関係会(IIR)*4に入っていました。その時、アメリカのスタンフォード大学のサマースクールに行き、アメリカの大学に学びたい!と強く思いました。結局、それはかないませんでしたが・・。そのIIRも50周年、明日24日、三田で、記念式典があります。なぜか私が式典とパネルディスカッションの司会です。諸先輩方、150人、現役学生50人が来るとのこと、IIRの草の根国際交流も歴史があるんだなあ、と改めて思いました。

*1:組織内のコンピュータネットワークへ外部から侵入されるのを防ぐシステム。転じて、社内で不公平取引や、情報の流出などを防ぐための制限や規制のこと。

*2:上場企業の役員や幹部、従業員などの内部者、大株主、取引銀行などのように、その立場にいなければ知りえない、未公開の情報のこと

*3:複数のニュースソースから確認が取れていないのに、記事にしてしまうもの

*4:http://www.keio-iir.org/index_j.html